業務提携先であるリサイクル業者より「お付き合いある不動産会社の管理物件で孤独死があり、かなり異臭も強く、近隣より苦情も来ている」とのことで早速、神奈川県内にある事故現場の1Kマンションへ向かいました。
死後1カ月で発見された現場と伺っており、異臭が強い現場のため、防毒マスクを装着して入室して見積させていただきました。
その場で見積書を作成して電話で不動産会社に見積内容とご請求金額を伝えたところ、納得していただき翌日には作業をお任せしていただきました。
作業当日になり、通常は特殊清掃(プラス消臭除菌)を行ってから、遺品整理と言う流れになりますが、今回のように床一面に体液が流れてしまった場合、床の上の家財を移動して保管するスペースが確保できません。
特殊清掃では、このようにセオリー通りにはいかない場合も多々ございます。
そのため、作業員全員が防毒マスクを装着して防護服に身をまとい、遺品整理を行いながら特殊清掃の作業を行いました。
今回の住居の故人様は40代男性とまだ若く、家財道具は若い方々が好むTV、電化製品(PCなど)が目立ち、本来なら買取させていただきたいところですが、残念ながら家中の家財には死臭と言われる臭いが染みついてしまい、買取できる状態ではありません。
ペットの猫までも道連れの孤独死になります
孤独死と言うのは、独り暮らしの住まいで発生する訳ですが、独り暮らしの寂しさを埋めるために、犬や猫などのペットと共に生活されている場合も少なくありません。
今回の現場はペットの猫も道連れで孤独死されました。
家主が他界されると、ペットはご飯や水分をいただけません。そのため、飢えや喉の渇きに苦しんで、餓死してしまいます。現在はペットにとっても受難の時代を迎えたようです。
特殊清掃が絡む遺品整理の作業では、このように足の踏み場が汚染された状況であっても、家中の家財に死臭が染み込んだ状況でもどんな状況でも必ず貴重品捜索や想い出の品の捜索を行います。
今回はご遺族様と違い不動産会社からの作業依頼ですが、故人様に対する想いが無い不動産会社であっても、貴重品や想い出の品を粗末に扱うことがございません。
もちろん作業中に発見した貴重品と写真類は、依頼主である不動産会社を通じて相続人へ届けていただきました。
いよいよ本格的な特殊清掃へ
遺品整理が作業終盤にもなりますと、今回の現場では本格的な特殊清掃の流れになります。
家財が空になった状態でカーペット上のウジの抜け殻を掃除機で吸い取ります。
次にカーペットやキッチンのCF(クッションフロア)を剥がして、床下の状態を確認したい意図もあり、ベニアの一部を電動ノコギリで切り取りします。
ベニアを切り取りして床下を確認しましたが、今回は不幸中の幸いで床下まで体液が流れておりません。
ここで仕上げのオゾン脱臭を行いたいところですが、部屋中が汚れており、汚れに付着した腐敗臭を取り除くために、壁中のクロス(壁紙)を剥がして、ルームクリーニングを徹底的に行います。
ルームクリーニングが終わり、ようやくオゾン脱臭作業を始められます。
今回の現場では、オゾン脱臭を3日間行いました。
その後、提携のリフォーム業者に原状回復工事を続けていただきました。
参考までに今回の作業は下記の通りです。
作業時間 | 6時間+脱臭3日間+リフォーム3週間 |
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作業人数 | 4名 |
車両 | 2tトラック1台分 |
買取 | 臭いが付着しているため無し |
オゾン脱臭 | 3日間稼働 |
作業料金(税込) | (遺品整理&特殊清掃)45万円+(リフォーム代)30万円 |
(情報提供:マインドカンパニー合同会社)